携帯キャリア・SIM

格安SIMとは?キャリアとの違い・メリット・デメリットを解説

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格安SIMと大手通信キャリアは何が違うのか。

大手キャリアから格安SIMに乗り換えたいけど、何か制限や注意点はあるのか。

この記事では、格安SIMがよく分からないという初心者向けに、大手通信キャリアとの違いや、格安SIMに乗り換えるメリット・デメリットについて解説をしています。

格安SIMとキャリアとの違いについて

NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンクといった、自社で通信サービスを提供する事業者を「MNO(Mobile Network Operator)」といいます。

これに対し、自社で通信設備を所有せず、大手通信キャリアから通信回線を借りて料金の安いSIMを提供する事業者を「MVNO(Mobile Virtual Network Operator)」といいます。

このMVNOが提供する低価格のSIMカードのことを「格安SIM」と呼び、通信費が安くなるお陰で端末代も安く済むことから、まとめて「格安スマホ」と呼んだりもします。

格安SIM事業者だと、このあたりが利用率も高くて有名ですね。

この中でも、ワイモバイルと楽天モバイルについては、安い価格でSIMを提供してはいるもののMVNOとは少し違います。

ワイモバイルはソフトバンクの子会社なので回線を借りているわけではありませんし、楽天モバイルについては2020年4月から第4のキャリアとして本格的に開始しました。

上で紹介した格安SIMの事業者以外にも、2001年に国内で初めてのMVNOが登場して以来、今では20を超える数多くの事業者が存在しています。

格安SIMを使うメリット

大手通信キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)と比べた時の、格安SIMのメリットについて解説していきます。

料金が安い

格安SIMの一番のメリットは、何と言っても料金が安いことです。

大手通信キャリアだと「データ容量1GB・オプションなし・2年契約」という最低限の条件でも3,000円前後になりますが、格安SIMならこれより良い条件で2,000円以下で契約することができます。

では、簡単に格安SIMと大手通信キャリアの料金を見てみましょう。


格安SIM(最安プラン/音声SIM)
ワイモバイルUQモバイルLINEモバイル
データ容量3GB
(通話無料:10分間以内)
3GB500MB
料金2,680円/月1,980円/月1,100円/月
大手通信キャリア(最安プラン/2年契約)
ドコモauソフトバンク
データ容量1GB1GB1GB
料金2,980円/月2,980円/月3,980円/月

この通り、格安SIMの方がデータ容量が多くても値段は安く、同じデータ容量で比較すると2,000円以上の金額差となります。

スマホの端末代も安いものではありませんので、少しでも月額料金を節約したいのであれば格安SIMの方が良さそうですね。

様々なプランが豊富にある

大手通信キャリアは「大容量プラン」とデータ通信量に応じて金額が増える「従量制プラン」の2つしかなく、データ通信に音声(通話)通信が基本プランとしてセットになっています。

格安SIMは「データ通信」のみや「通話+データ通信」プランを用途に応じて選択することができ、データ通信容量も自分で選べます。

大手通信キャリアで月額料金を安く済ませようとすると「従量制プラン」を利用することになりますが、データ容量を使いすぎてしまった場合には利用料金が跳ね上がってしまいます。

これに比べて格安SIMは、選択したデータ容量を超えた場合には速度制限がかかるのみで金額は増えません。

格安SIMであれば、Wi-Fiに接続して動画を見ていたはずが、いつのまにかWi-Fiの接続が切れていて大金を請求されるなんてこともなく、安心して利用することができます。

契約期間の縛りが緩い

大手通信キャリアは2年間の自動更新であることが多く、途中で解約した場合には契約解除料が発生してしまいます。

格安SIMは最低利用期間が定められているプランのほかに、契約期間なし・解除料無料のプランもありますので、事業者選びに失敗した場合でもコストをかけずに気軽に乗り換えることができます。

「自動更新」と「最低利用期間」は似たようなものに思えますが、自動更新は契約更新月の短い間しか無料で解約できないのに対して、最低利用期間は半年~1年間利用すればいつ解約しても解除料が無料になります。

大手通信キャリアで契約している方は、この解約の仕組がややこしくて乗り換えをためらっていることも多いのではないでしょうか。

格安SIM独自のサービスがある

それぞれの格安SIMには独自のサービスがあります。

例として挙げると、LINEモバイルは追加料金0円で「LINEデータフリー」というオプションをつけることができます。

「LINEデータフリー」とは、LINE利用時のデータ通信量がゼロになるオプションであり、メッセージだけでなくLINE通話の通信量もゼロになります。

UQモバイルには「節約モード」という機能があり、節約モード中は送受信最大300Kbpsに制限されるものの、どれだけ使っても「データ消費ゼロ」になります。

実際に節約モードを試したところ、300Kbpsの速度だと動画を見るには読み込みが遅く不便ですが、LINE通話やSNSの利用は特に問題はないと感じました。

ここで紹介したサービスはほんの一部であり、ほかの格安SIM事業者でも様々な独自サービスを展開しています。

最近では、電話を使わずにLINEなどの通話アプリで代用する方も多いですし、そういった方は大手通信キャリアではなく格安SIMを利用した方が断然良いです。

格安SIMを使うデメリット

大手通信キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)と比べた時の、格安SIMのデメリットについて解説していきます。

通信速度が遅い

格安SIM(MVNO)は大手通信キャリアから回線を借りていることもあり、ドコモ・au・ソフトバンクと比べると通信速度は遅いです。

回線が混雑しやすい「通勤時間・昼休み・帰宅時間・帰宅後から就寝前」この辺りと重なる時間帯は、特に通信速度が遅くなる傾向にあります。

といっても、アプリのダウンロードや動画の視聴に支障が出るぐらいで、メッセージのやり取りやSNSの利用であれば特に問題はありません。

会社や学校にWi-Fi環境があることも多いですし、無料Wi-Fiスポットもたくさんあります。

自宅にWi-Fiがある方は、帰宅後は常にWi-Fiに繋いでると思いますので、モバイル通信の速度が遅くてもそこまで気にしないという方も多そうですね。

キャリアメールが使えない

大手通信キャリアでは「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp/@au.com」「@softbank.ne.jp」といった、キャリアメールが利用できます。

格安SIMでも一部の事業者では、独自のメールアドレスを取得することができますが、基本的にはGmailやiCloudメールといった、無料のフリーメールを利用することになります。

フリーメールでも単純なメールのやり取りには問題ありませんが、キャリアメールはフリーメールと違いアドレスを量産できないことから信頼性が高く、一部のサービスではキャリアメールでしか登録できない場合があります。

例えば、ゆうちょ銀行のワンタイムパスワードにはフリーメールは登録できず、キャリアや各事業者の独自メールでしか登録することができません。

今ではメッセージアプリの利用が多くなったため、以前ほどメールアドレスの必要性はなくなってきてはいます。

ですが、キャリアメールでしか登録できないサービスも沢山ありますので、なかったらなかったで何かと不便かもしれません。

実店舗が少ない

大手通信キャリアの店舗数と比べて、格安SIM事業者の店舗数は圧倒的に少ないです。

地方になると、都市部にようやく1店舗あるかどうかの事業者もあります。

近くに店舗がない場合、オンラインで契約を結ぶ必要がありますが、オンラインでの契約に慣れている方ならともかく、慣れていない場合は本人確認書類の提出で手間取ってしまうことも。

オンラインではなく、店舗で店員に相談しながら契約をしたい人にはあまり向いていませんのでお気をつけ下さい。

販売端末のラインナップが良くない

格安SIM事業者が販売しているスマートフォンは、価格が安いものが多く、端末性能もあまり良くありません。

特にiPhoneを利用したい場合は、iPhone 7やiPhone 6sといった数年前のモデルしか購入することができず、最新のモデルを店舗で直接購入して契約したいという方には向いていません。

最新モデルを使うには、格安SIMでSIMだけ契約し、SIMフリー/SIMロック解除済み端末を他で用意して、自分でSIMを入れ替える必要があります。

格安SIMを利用するのであれば、SIMフリー/SIMロック解除済み端末を使用するのがメインと言っても良いぐらいです。

SIMフリー/SIMロック解除済み端末であっても、一部の端末は格安SIMに対応していない場合がありますので、事前に利用可能端末か調べた上でお使いください。

格安SIM/大手キャリアを利用すべき人

「格安SIMを利用した方がいい人」と「大手キャリアを利用したほうがいい人」について、それぞれ簡単にまとめてみましたので、選び方の参考にしてみてください。

格安SIMを選ぶべき人
  1. 月額料金を節約したい
  2. プラン・サービスを自分で調べられる
  3. SIMフリー/SIMロック解除端末を用意できる
  4. データ通信のみ利用したい
  5. Wi-Fi環境での利用が多い
大手通信キャリアを選ぶべき人
  1. 長時間の電話をすることが多い
  2. 大容量のデータ通信をしたい
  3. データ通信速度を速くしたい
  4. 店舗で店員と直接会って相談したい
  5. キャリアの別サービスをよく利用している

まとめ

電話をあまり使わなかったり、データ通信量もそこまで使わないという方は、格安SIMを選んだ方が料金も節約できて良いです。

もし電話を長時間利用する方で、どうしても格安SIMにしたいという場合、この2つであれば電話かけ放題プランが用意されています。

UQモバイルは通信速度の利用満足度が一番高く、ワイモバイルはソフトバンクの子会社なのでソフトバンクやヤフー関連のサービスと連携しやすくて便利です。

楽天モバイルも電話かけ放題がありますが、2020年4月から始まった新プラン「Rakuten UN-LIMIT」に対応している端末がまだ少ないので、対応端末が増えるまで待った方がいいです。

電話かけ放題が必要ない場合、「料金・通信速度・利用満足度」の3点を考慮すると、この辺りの格安SIMもおすすめです。

単純な価格の安さであればLINEモバイル、次いでmineoといったところです。

格安SIMは、NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクのどこの回線を利用するかによって料金が変わる事業者もあります。

また、利用する回線によっては、SIMロック解除をしなくても大手キャリアで使用していた端末をそのまま利用できる場合もあります。

格安SIMに乗り換えの際は、料金やサービスだけでなく、どの回線を借りているかも考慮した上でご検討ください。

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桑嶋
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