Appleは2022年10月18日(現地時間)に、第10世代にあたる新型iPadを発表し、Apple Storeでは同年10月26日から販売が開始されます。
前モデルのiPad(第9世代)の発売から約1年1ヶ月での新モデルの登場です。
この記事では、2021年に発売したiPad(第9世代)から2022年発売のiPad(第10世代)へ買い替えを検討している方向けに、機能の違い・スペック・ベンチマーク性能を比較していきます。
iPad 第10世代と第9世代を比較
iPadが第9世代から第10世代になり、大きな変更点は次のようになります。
- ホームボタンの廃止
- A14 Bionicチップを搭載
- RAMが3GB→4GBに変更
- ディスプレイサイズが10.9インチに変更
- Liquid Retinaディスプレイに変更
- アウトカメラの性能向上
- コネクタがLightning→USB-Cに変更
- 5Gに対応
- Wi-Fi 6 に対応
- カラーバリエーションの増加
第10世代では単純な性能向上以外にも、第4世代以降のiPad Airと同様のデザインに変わり、ホームボタンも廃止となりました。
SoCはiPhone 12シリーズに搭載されているものと同じA14 Bionicチップへと変更されており、RAMも4GBに増加しましたので、動作面での性能はiPhone 12/12 miniと同等程度といえるでしょう。
そのほか、カラーバリエーションの大幅な増加や、アウトカメラの性能が8MPから12MPへと向上していたり、ディスプレイがiPad Airと同じLiquid Retinaディスプレイに変更されていたりなどの細かな変更点が見受けられます。
肝心の価格ですが、円安や米国でのインフレの影響(2022年現時点)もあってか第9世代自体も発売した当初と比べて1万円以上値上がりしており、第10世代にいたってはさらに4割近く値上がりしているようです。
では、もう少し詳細にiPad(第10世代)とiPad(第9世代)の違いを見ていきましょう。
第10世代と第9世代のスペック比較
基本情報 | ||
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iPad | 第10世代 | 第9世代 |
発売価格 | Wi-Fiモデル 64GB:68,800 円 256GB:92,800 円 Wi-Fi+Cellularモデル 64GB:92,800 円 256GB:116,800 円 | Wi-Fiモデル 64GB:39,800 (→49,800) 円 256GB:57,800 (→71,800) 円 Wi-Fi+Cellularモデル 64GB:56,800 (→69,800) 円 256GB:74,800 (→91,800) 円 |
カラー | シルバー ピンク ブルー イエロー | シルバー スペースグレイ – – |
発売日 | 2022年10月26日 | 2021年9月24日 |
本体仕様 | ||
ディスプレイ | Liquid Retinaディスプレイ IPSテクノロジー搭載10.9インチ(対角)LEDバックライトMulti-Touchディスプレイ SDR輝度:最大500ニト(標準) 耐指紋性撥油コーティング sRGB True Toneディスプレイ | Retinaディスプレイ IPSテクノロジー搭載10.2インチ(対角)LEDバックライトMulti-Touchディスプレイ SDR輝度:最大500ニト(標準) 耐指紋性撥油コーティング sRGB True Toneディスプレイ |
画面解像度 | 2,360 x 1,640 4:3(アスペクト比) | 2,160 x 1,620 4:3(アスペクト比) |
画面密度 | 264ppi | 264ppi |
サイズ | H248.6mm W179.5mm D7.0mm | H250.6mm W174.1mm D7.5mm |
重量 | Wi-Fiモデル:477g Cellularモデル:481g | Wi-Fiモデル:487g Cellularモデル:498g |
Apple Pencil | 第1世代 | 第1世代 |
キーボード | Magic Keyboard Folio | Smart Keyboard |
システム仕様 | ||
SoC | A14 Bionic 6コアCPU 4コアGPU 16コアNeural Engine | A13 Bionic 6コアCPU 4コアGPU 8コアNeural Engine |
RAM | 4GB | 3GB |
ROM | 64GB/258GB | 64GB/256GB |
カメラ | ||
背面カメラ | 12MP広角カメラ ƒ/1.8絞り値 | 8MP広角カメラ ƒ/2.4絞り値 |
前面カメラ | 超広角カメラ 12MPの写真 ƒ/2.4絞り値 | 超広角カメラ 12MPの写真 ƒ/2.4絞り値 |
ビデオ撮影 | 4Kビデオ撮影(24fps、25fps、30fpsまたは60fps) 1080p HDビデオ撮影(25fps、30fpsまたは60fps) ビデオの拡張ダイナミックレンジ(最大30fps) | – 1080p HDビデオ撮影(25fpsまたは30fps) – |
充電・バッテリー | ||
バッテリー | 28.6Wh | 32.4Wh |
ワイヤレス充電 | – | – |
オーディオ | ||
スピーカー | 2スピーカーオーディオ(横向き) | 2スピーカーオーディオ |
イヤホンジャック | 非搭載 | 搭載 |
機能・センサー | ||
生体認証 | Touch ID | Touch ID |
センサー | 3軸ジャイロ 加速度センサー 環境光センサー 気圧計 | 3軸ジャイロ 加速度センサー 環境光センサー 気圧計 |
コネクタ | USB-C Smart Connector | Lightning Smart Connector |
GPS | Wi-Fiモデル 非搭載 Wi-Fi+Cellularモデル 搭載 | Wi-Fiモデル 非搭載 Wi-Fi+Cellularモデル 搭載 |
ネットワークと接続性 | ||
Wi-Fi | Wi‑Fi 6(802.11a/b/g/n/ac/ax) | Wi-Fi(802.11a/b/g/n/ac) |
Bluetooth | 5.2 | 4.2 |
SIM | nano-SIM/eSIM | nano-SIM/eSIM |
違う部分だけ赤文字にしています。
第8世代から第9世代に変わったときはSoC以外に大幅な変更点はありませんでしたが、第10世代では全体的にアップデートがされており、2020年9月に発売したiPad Air(第4世代)に近い性能およびデザインとなっています。
引き続き、A14 Bionicチップを搭載しているiPad(第10世代)と、A13 Bionicチップを搭載している前モデルiPad(第9世代)のベンチマークスコアを比較していきます。
A14 vs A13 ベンチマーク比較
2022年10月に発売したiPad(第10世代)と、前モデルであるiPad(第9世代)の現時点(2022年記事作成時)でのAnTuTuベンチマーク比較です。
ベンチマークを簡単に説明すると、端末の処理速度・グラフィックといった動作性能をスコア化してくれるものです。
AnTuTu(V9) ベンチマークスコア | ||
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SoC | 第10世代 | 第9世代 |
Total | 707813 | 642077 |
CPU | 200305 | 163643 |
GPU | 282380 | 269597 |
MEM | 92904 | 86927 |
UX | 132224 | 121910 |
iPad(第10世代)に搭載されているA14 Bionicチップは、iPhone 12シリーズやiPad Air(第4世代)搭載されているチップと同じもので、AnTuTuの総合スコアは70万前後です。
対して、iPad(第9世代)に搭載されているA13 Bionicチップは、iPhone 11/11 Pro/SE(第2世代)と同じものであり、総合スコアは64万前後となります。
当然ながら第10世代のスコアが全体的に高い結果となっていますが、そこまで大きな差はありませんので重いアプリを使うなどでない限り、使用感に大きな差を感じることはない範囲かと思われます。
第10世代を選ぶ理由としては、動作性能よりも画面の鮮明さやUSB-Cコネクタ、5G対応といったその他の要素で選ぶ人のほうが多いのではないでしょうか。
ただ一つ問題点をあげるとするならば、やはり性能よりも第10世代の価格の高さがネックですね。
ついでに第10世代と近い性能のiPhoneおよびiPadのベンチマークスコアも、参考として掲載しておきます。
AnTuTu(V9) ベンチマークスコア | ||
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デバイス | Totalスコア | |
iPhone 13 | 791585 | |
iPad Air 4th | 755510 | |
iPad 10th | 707813 | |
iPhone 12 | 705442 | |
iPad 9th | 642077 | |
iPhone 11 | 617015 | |
iPad Air 3th | 580611 | |
iPad 8th | 552129 | |
iPad 7th | 345752 |
まとめ
5万円以下でも購入できた今までのiPadと違い、第10世代は最低でも約7万円という高めの価格設定になっており、発表段階でも高すぎると話題になりました。
円安や米国のインフレの影響ももちろんあるとは思いますが、第10世代からは今までのiPadよりもワンランク上の性能になり、値段も高くなってしまったという印象もあります。
価格も高いので無理に買い替える必要はないと思いますが、2019年に発売した第7世代以下のモデルをお使いの場合、最新の端末と比べて性能面に限界を感じる頃合いかと思われますので、買い替えを検討してもよさそうです。