まずはじめに、この本を読んでも教養を得ることはできないでしょう。
本の帯にも書かれてありましたが、「教養の身につけ方」の持論が書かれている本ですので教養自体が身につくわけではありません。教養を得る目的で読むのであればやめておいた方がよいでしょう。教養の身につけ方を学びたいという目的であれば部分的に参考になるかと思われます。
教養とは何か
さて、本書で言う「教養」とは何なのか。ざっくり言うと教養とは「人生を面白くするツール」であり「自分の頭で考えられること」であると述べてられております。
また、教養を得るには一定の知識が必要であるとしつつ、教養は人生のPDCA(Plan(計画) → Do(実行) → Check(評価) → Act(改善))サイクルを動かすためのツールだと説いています。
確かに納得できる内容ではあるのですが、ライフハックなり自己啓発系のメディアやブログを見るとよく書いてある内容だなあという印象を受け新鮮味はありません。
「読まない」という選択肢がない本はさっさと読む
これに関しては大いに賛同するところであります。
「面白いか、面白くないか」に関係なく読まなければならない本というものは沢山あります。
僕も小さな会社の経営者でありますが、財務会計の本や法律、業界関係の本など読んでいて面白くないものも多いですが、仕事をする上で必要なものですのですべて目を通しています。興味がないものでも読まなければいけない本、読んだ方がいい本というものは沢山ありますね。
時事問題について
本書の7章と8章では時事問題について語られているのですが、ニュース番組のコメンテーターの意見を切り取ったような内容が散見され、読んでいて首を傾げる内容ばかりでした。
「消費増税抜きで社会保障は賄えない」と書かれており、その理由に消費税は所得税と違い全世代から均等に取れるからとしています。
これ、財務省のHPに書かれてる増税の理由そのままやないかい。
一番消費が多いであろう現役世代の負担も増えるだけでなく、そもそも消費税は普通税であり、社会保障に使うと明言されていたとしてもその義務も保証も法的にはないものなのであります。長くなりそうなので以下略。
この本から得た教訓
その他、仕事で使わなくても英語を学んだほうがいい等、共感できる内容も多々ありましたがどこかで見た内容も多く、書かれていることは著者の経験や体験から裏打ちされた内容がほとんどですので人によっては当てはまらないのではないかなあと。
僕としても内容に疑問を感じる部分もあれば大変参考になる部分もあり、特に本はベストセラーではなく新聞などの書評で選べというところはとても参考になりました。
Amazonのランキングだけ見て買うもんじゃないとこの本から教訓を得たわけであります。