キャッシュレス決済の普及も進み、若年層だけでなく、年配の方がスマホ決済を使っている場面を見るのも珍しくなくなってきました。
現金決済からスマホ決済に移行しようと考えている方も増えているかと思いますが、スマホ決済のあまりの数の多さに何を使ったらいいのか悩みますよね。
この記事では、QR・バーコード決済のできるスマホ決済のどれを使えば良いのか、なにを使うのが自分にとって一番得になるのか悩んでいる方に向けて、「PayPay」「楽天ペイ」「LINE Pay」「d払い」の4つのスマホ決済サービスを、以下の項目で比較していきます。
- ポイントの還元率
- 支払い方法・チャージ方法
- キャッシュレス消費者還元事業施策
- 使用できる店舗数
ほかにも、よく使うお店やキャンペーンによっても、おすすめできるスマホ決済が変わってきますのでその解説もしていきます。
自分にとってどちらを使った方がお得になるのか、是非参考に。
キャッシュレス還元事業施策で比較
2019年10月1日から2020年6月末日までの期間、消費税の増税に合わせ、キャッシュレス・消費者還元事業が始まりました。
この事業に加盟している店舗で、キャッシュレス決済を用いて買い物をすると、中小・小規模事業者で5%、中小・小規模事業者が経営するフランチャイズチェーン等で2%ポイントが還元されます。
では、「PayPay」「楽天ペイ」「LINE Pay」「d払い」のスマホ決済4社について、キャッシュレス・消費者還元事業中に開催しているキャンペーンの還元率で比較していきます。
スマホ決済 | 中小・小規模事業者 | コンビニ・FC店 | 対象外店舗 |
---|---|---|---|
6.5% | 3.5% | 1.5% | |
5.5% | 2.5% | 0.5% | |
5.5%~7.0% | 2.5%~4.0% | 0.5%~2.0% | |
10.0% | 2.5%~3.0% | 0.5%~1.0% |
「PayPay」は、「まちかどペイペイ第2弾」を2020年3月31日まで開催しており、中小・小規模事業者では5%還元に加えて、20回に1回の確率で1,000円戻ってくるキャンペーンを開催しています。抽選にはずれた場合はPayPayの通常還元率1.5%が加算され、6.5%の還元率となります。
「d払い」は、2019年12月2日から2020年3月31日までの期間、5%還元対象店に限り5%の還元に加えてさらに5%上乗せし合計還元率が10%になるキャンペーンを開催しています。
他スマホ決済については、通常の還元率にキャッシュレス・消費者還元事業の還元分を足した数字となります。
キャンペーンによっては、エントリーしなければ還元率が適用されない場合もありますので注意してください。
スマホ決済4社を徹底比較
キャッシュレス・消費者還元事業で還元されるポイントを含まない、通常時の還元率です。
4社の基本還元率とチャージ方法を簡潔に比較し、後ほど個々のスマホ決済についてさらに詳しく解説していきます。
スマホ決済4社を基本還元率で比較
スマホ決済 | 還元率 | 付与ポイント | 還元条件 |
---|---|---|---|
1.5% | PayPayボーナス | PayPay残高払い ヤフーカード払い | |
0.5% | 楽天スーパーポイント | – | |
0.5%~2.0% | LINE ポイント | マイカラーで還元率が変化 | |
0.5%~1.0% | dポイント | 実店舗: 0.5% ネット: 1.0% |
一見「LINE Pay」が2.0%で高還元率に見えますが、この2.0%の還元を受けるにはマイカラーをグリーンにする必要があります。
マイカラーとは、「LINE Pay」の支払金額に応じてより多くのインセンティブを還元する制度で、マイカラーをグリーンにするには、「LINE Pay」の使用額が月10万円を超える必要があり敷居が高いです。また、LINE関連のオンラインサービス以外でクレジットカードでの支払いができないので、ポイントの二重取りができません。
他の3社はクレジットカードと紐付けることが可能です。
ただし、「PayPay」ではヤフーカード以外のクレジットカードは還元の対象外となります。
基本的に、最高還元を受けようとするのであれば、当然クレジットカードを紐付けたほうが還元率が高くなります。
還元率を比較する場合、スマホ決済だけの還元率でなく、クレジットカードの還元率も加算して比較しましょう。
相性の良いクレジットカード
スマホ決済 | クレジットカード | 還元率 | 年会費 |
---|---|---|---|
ヤフーカード | 1.0% | 無料 | |
楽天カード →公式サイト | 1.0% | 無料 | |
– | – | – | |
dカード | 1.0% | 無料 |
「LINE Pay」は現在、LINE関連サービス以外でクレジットカードを使用することはできません。
他は複数のクレジットカードを使用することが可能ですが、「PayPay」はヤフーカードのみがポイント還元の対象となります。
また、他に関しても、特定のキャンペーンでは自社発行のクレジットカードのみがポイント還元の対象となっている場合がありますので、なるべく上記のクレジットカードで揃えた方が各スマホ決済をお得に使うことができます。
ヤフーカード、楽天カード、dカードといったクレジットカードは基本還元率が1.0%と、他クレジットカードと比べても高還元の部類に入りますので、一枚は持っておくとスマホ決済が使えない場面でも何かと便利です。
スマホ決済4社をチャージ・支払い方法で比較
スマホ決済 | コンビニ | 銀行 | クレジットカード | その他 |
---|---|---|---|---|
○ | ○ | ○ | ○ | |
– | ○ | ○ | ○ | |
○ | ○ | △※1 | – | |
○ | ○ | ○ | ○ |
※1 LINE Payでのクレジットカードの支払いは、LINE関連サービスでのみ使用が可能。
コンビニでのチャージに対応しているスマホ決済
「PayPay」「LINE Pay」「d払い」が対応。
セブン銀行ATMのほか、「LINE Pay」と「d払い」は対応しているコンビニのマルチメディア端末経由、もしくはレジで直接現金でチャージすることが可能です。
銀行でのチャージに対応しているスマホ決済
「PayPay」「楽天ペイ」「LINE Pay」「d払い」が対応。
「楽天ペイ」は対応している銀行が楽天銀行のみですが、他は複数の銀行に対応しています。
クレジットカードに対応しているスマホ決済
「PayPay」「楽天ペイ」「d払い」が対応。
「PayPay」はヤフーカードのみがポイント還元の対象となり、他は通常の還元は受けれますが、一部のキャンペーンでは、自社発行のクレジットカードのみがポイント還元の対象となる場合があります。
その他の支払い方法に対応しているスマホ決済
「PayPay」「楽天ペイ」「d払い」が対応。
「PayPay」と「d払い」は、携帯料金と合算して支払うことができます。また、「PayPay」はヤフオク・PayPayフリマの売上金から、「楽天ペイ」はラクマの売上金からチャージすることも可能です。
スマホ決済4社を使用できる店舗数で比較
いくらポイント還元があろうとも、使える店が少なくてはどうしようもありません。
「PayPay」「楽天ペイ」「LINE Pay」「d払い」はどのぐらい使用できる店舗数があるのでしょうか。
2019年11月時点で公表されている加盟店数は、「PayPay」が150万ヶ所、「楽天ペイ」が120万ヶ所となっており、「LINE Pay」については詳しい数字は不明ですが、100万ヶ所は超えているとのことです。
「d払い」については、iDとdポイント、「d払い」の合算で2019年4月に100万ヶ所、2021年度末に200万ヶ所を目標にしているとのことです。
この加盟店数は、算出された月日もバラバラですし、現在はさらに増えているものと予想されますので、あくまで参考程度に留めておいてください。
個人的な見解ですが、4社ともコンビニ等では殆ど使用が可能で、個人店の加盟店数は「PayPay」が頭一つ抜けている印象です。
PayPayの詳細―得になる人、使った方が良い場面
還元率 |
|
---|---|
キャッシュレス還元事業 還元率 |
|
付与ポイント |
|
還元条件 |
|
決済方式 |
|
支払い方法 |
|
チャージ方法 | コンビニ
|
相性の良い クレジットカード |
|
ヤフーカードを持っている
個人店での使用が多い人
ヤフーショッピング・PayPayモールをよく利用する
キャンペーン開催時
なぜ、上記に当てはまると「PayPay」を使った方がお得なのか。
個々の内容について、さらに詳しく解説していきます。
ソフトバンク・ワイモバイルユーザー
ソフトバンクおよびワイモバイルを契約している場合、ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払いができるほか、Yahoo!プレミアム月額462円が無料になりワクワクペイペイキャンペーンで通常10%のところ20%のポイント還元を受けることができます。
スマートフォンを購入するとき、ソフトバンクおよびワイモバイルはオンラインショップで購入した方がお得です。ソフトバンクは頭金が0円、ワイモバイルは事務手数料無料で購入することができます。
ヤフーカードを持っている
「PayPay」で使えるクレジットカードの中で、ヤフーカードのみが1.5%の還元を受けることができます。
ヤフーカードを使うことによりPayPayボーナスとTポイントの二重取りが可能でしたが、2020年2月から二重取りができなくなりました。
それでも、PayPay残高へのチャージに対応しているクレジットカードはヤフーカードのみですので、「PayPay」と最も相性の良いクレジットカードなのは変わりありません。
個人店で使用することが多い
PayPayは他スマホ決済と比べ、導入している個人店が多いです。
また、2020年3月31日まで開催しているまちかどペイペイ第2弾で、個人店では5%の還元に加えて、20回に1回1000円が戻ってくるキャンペーンを開催しています。抽選に外れた場合は、消費者還元事業の5%にPayPayの通常還元率1.5%を加えた6.5%のポイントが還元されます。
還元率でいえば、以前まで開催していたまちかどペイペイ第1弾よりは下がりましたが、それでも他スマホ決済と比べて高水準の還元率となります。
ヤフーショッピング・PayPayモールをよく使う
ヤフーショッピングやPayPayモールをよく使う場合、ソフトバンクやワイモバイルと契約したり、ヤフーカードを使用することによってポイントの還元率がさらに増えます。
ZOZOもソフトバンクの傘下に入りましたし、ソフトバンク・ヤフー系列のネットショッピングをよく使うのであれば、ポイントが共有できるPayPay一択となります。
キャンペーン開催時だけPayPayを使う
PayPayのキャンペーンは、ポイントの還元率が非常に高い場合が多いです。
2019年10月5日に開催された1周年記念キャンペーンでは全てのスマホユーザーを対象に20%のポイントを還元しました。
他のスマホ決済をメインに使用している場合でも、こういったキャンペーンのときだけは「PayPay」を使ったほうがお得になる場合があります。
楽天ペイの詳細―得になる人、使った方が良い場面
還元率 |
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---|---|
キャッシュレス還元事業 還元率 |
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付与ポイント |
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還元条件 | – |
決済方式 |
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支払い方法 |
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チャージ方法 | 銀行
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相性の良い クレジットカード |
|
楽天市場をよく利用する
期間限定ポイントを消費したい
他楽天サービスに加入している
なぜ、上記に当てはまると「楽天ペイ」を使った方がお得なのか。
個々の内容について、さらに詳しく解説していきます。
楽天カードを持っている
他のクレジットカードでも楽天ペイの支払いや、通常のポイント還元に問題はありませんが、一部のキャンペーンでは「楽天カード」以外のクレジットカードではポイントの還元が受けられない場合があります。また、「楽天カード」以外のクレジットカードでは、楽天キャッシュにチャージすることができません。
元々、高還元で有名なクレジットカードということもあり、既に所持している場合は楽天ペイに移行しやすいですし、楽天ペイのポイント還元に加えて楽天カードでさらに1%還元され、ポイントの二重取りが可能となります。
楽天市場をよく利用する
楽天市場での買い物でもらえる楽天スーパーポイントは、アカウントが同じであれば「楽天ペイ」と共有して使うことができます。
そういった点から、楽天市場をよく利用するのであれば、普段使うスマホ決済には「楽天ペイ」を選ぶのをおすすめします。
期間限定ポイントを消費したい
楽天市場やほかの楽天サービスを利用していると、楽天の期間限定ポイントがもらえることがあります。
楽天スーパーポイントはアカウントで共有されるため、期間限定ポイントも同様に楽天ペイで使うことができます。
今まで無理に楽天市場で買い物をして消費していたり、使うのを忘れてそのままポイントを失効しているなんてこともありましたが、楽天ペイを利用することによりコンビニ等で簡単に消費することが可能となりました。
他楽天サービスに加入している
楽天市場で買い物をする場合は、他楽天サービスとの併用で最大16倍までポイントが増加します。
楽天会員かつ、楽天カードと楽天銀行を作るだけでも4倍になり、「楽天ペイ」の支払い方法とも重なりますので相性が良いです。
楽天モバイルまで加入すれば6倍まで増えますし、ここまで楽天サービスに加入しているのであれば楽天スーパーポイントの貯まり方的に「楽天ペイ」以外もはや考えられません。
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LINE Payの詳細―得になる人、使った方が良い場面
還元率 |
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---|---|
キャッシュレス還元事業 還元率 |
|
付与ポイント |
|
還元条件 |
|
決済方式 |
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支払い方法 |
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チャージ方法 | コンビニ
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相性の良い クレジットカード |
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Androidユーザー
「Visa LINE Payカード」の発行を予定している
なぜ、上記に当てはまると「LINE Pay」を使った方がお得なのか。
個々の内容について、さらに詳しく解説していきます。
月に10万円以上の決済をする
「LINE Pay」は、マイカラー制度を導入しており、使用額に応じて還元率が変わりますので、2.0%の還元を受けようとすると月10万円以上の使用額が必要となります。
2.0%という数字は、他スマホ決済と比較しても非常に高い数字です。
安定して月10万以上の支払いがあるのであれば、LINE Payを使ったほうが特になる場面も多くなると思われます。
Androidユーザー
Androidユーザーであれば、「Google Pay」に「LINE Pay」を登録することができます。
「Google Pay」に「LINE Pay」登録すると「QUICPay+」が付与され、「QUICPay+」の加盟店81万ヶ所でつかえるほか、バーコード・QRコード画面を見せることなく、Suicaのようにかざすだけで決済が可能となります。
ポイント還元は欲しいけど、バーコード・QRコード決済は面倒だと感じる方におすすめです。
「Visa LINE Payカード」の発行を予定している
2020年1月から順次送付が予定されている(延期されました)「Visa LINE Payカード」の発行を予定しているのであれば「LINE Pay」と紐付けて使用するのが相性が良いです。
「Visa LINE Payカード」は、サービス提供から1年間に限り3%の還元を予定しているほか、「LINE Pay」と紐付けると、今まではできなかったクレジットカードでの支払いが可能となります。
他の有名な高還元クレジットカードでも基本的には1%前後の還元率なので、1年間だけとはいえ3%の還元は魅力的ですね。
d払いの詳細―得になる人、使った方が良い場面
還元率 |
|
---|---|
キャッシュレス還元事業 還元率 |
|
付与ポイント |
|
還元条件 |
|
決済方式 |
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支払い方法 |
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チャージ方法 | コンビニ
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相性の良い クレジットカード |
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dカードを持っている
ドコモ回線長期利用者
ドコモの有料サービスに加入中
なぜ、上記に当てはまると「d払い」を使った方がお得なのか。
個々の内容について、さらに詳しく解説していきます。
ドコモのスマホを契約中
ドコモのスマホを契約中であれば、「d払い」で使用した金額を携帯料金合算払いで支払うことが可能です。
また、dポイント スーパー還元プログラムにエントリーすることで、最大でプラス7%の還元を受けれるようになりますが、その条件の一部がドコモ回線の契約が必須となっています。
dカードを持っている
「dカード」は通常1%という高還元率で、「d払い」とのポイント二重取り、「dポイントクラブ」加盟店であれば三重取りすることも可能となります。
また、「dカード」でドコモ回線の利用料金を支払うと、dポイント スーパー還元プログラムでプラス1%の還元を受けることが可能です。
この場合、「dカード」でドコモ回線料金を支払っても回線料金に対してはポイントが付与されません。「d払い」の月の支払額が、ドコモ回線料金より下回るのであれば、この還元を受けずに別の高還元クレジットカードを登録した方がポイント還元は多くなります。
ドコモ回線長期利用者
ドコモ回線を15年以上継続利用しているのであれば、dポイント スーパー還元プログラムで1%プラスで還元を受けることができます。
15年以上の利用がなくても、6ヶ月のdポイント獲得数が累計10,000ポイントを上回っていれば同様の還元を受けることができます。
30歳以上の方であれば、ドコモ回線を15年以上使っている方も多いと思いすので、難なく還元を受けれそうです。
ドコモの有料サービスに加入中
dマーケット等のサービスや、いちおしパック、DAZN for docomo、Disney DELUXEといった、ドコモ関連の有料サービスに加入している場合、dポイント スーパー還元プログラムでさらにプラスでポイントの還元を受けることができます。
すでに加入中であったり、これから加入予定である場合は、「d払い」を使用した方がお得となります。
スマホ決済4社を徹底比較まとめ
還元率だけ見ると、2020年3月時点ではキャリアが提供しているスマホ決済が強い印象です。
ただし、自分の使っているキャリア、クレジットカード、加入コンテンツ等の様々な要因によってポイントの還元率をアップする施策が各社でありますので、自身の環境によっては一概にこの通りにはならない場合もあります。
最近では、スマホ決済各社で、クレジットカードや通信回線など、自社の商品と紐付けることによってポイントの還元率をアップする施策が中心となっていますし、無差別に還元するのではなく、自社オンラインショップ限定で還元するようなキャンペーンが増えてきています。
将来的には、自社のオンラインショップ等の販売網が強い会社のスマホ決済を使うのが無難にお得になりそうですね。